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佐野 亜沙美; 小松 一生*; 栗林 貴弘*; 八木 健彦*; 大谷 栄治*
no journal, ,
現在J-PARCのMLF内には高温高圧実験をターゲットとしたビームラインが建設され、コミッショニングを迎えようとしている。本発表では二つの実験例を通じて、高圧地球科学分野における中性子実験の新たなツールとしての可能性を示す。(1)鉱物中の水を見る:中性子実験の強みとして、X線では決められない水素(重水素)の位置を決定できることがあげられる。名目上の無水鉱物であるワズレアイト中に取り込まれたごくわずかな水素の位置を初めて決定した例を紹介する。(2)同位体を区別する:地球科学において同位体は岩石や鉱物の起源を議論するうえでの指標となるため重要である。中性子の散乱長は同位体により異なるため、同位体によるふるまいの違いを調べることができる。含水鉱物-AlOOHにおける高圧実験では同じ酸素間距離であっても水素結合距離の圧力応答に違いがあることが明らかになった。
佐野 亜沙美; 服部 高典; 有馬 寛*; 内海 渉
no journal, ,
鉱物や岩石中の水素を調べる新たなツールとして、現在J-PARC内MLFには超高圧中性子回折装置"PLANET"が建設中であり、間もなくコミッショニングを迎えようとしている。このビームラインの特徴の一つとして、地球深部に相当する高温高圧条件を作り出すために大型のマルチアンビルプレスが導入されることにある。発表ではビームラインの建設及び高圧プレスの現状を紹介する。
片山 芳則; Yagafarov, O.; 池田 隆司; 齋藤 寛之; 青木 勝敏; 服部 高典; 福井 宏之*; 丹下 慶範*; 舟越 賢一*
no journal, ,
常圧での水は特異な性質を示すが、これらは水素結合によるネットワーク構造と関係している。われわれは水の構造の圧力変化を調べるために、X線回折実験をSPring-8の放射光とマルチアンビル型プレスを組合せて20GPaの圧力まで行った。これによって、融点直上では、約4GPaまで水分子間の距離はほとんど変わらず、分子の配位数が急速に増加することがわかった。一方、高密度水の第一原理動力学シミュレーション結果から、水の構造変化には温度が重要であることが示されたため、比較的低圧で、温度を変化させたX線回折実験を行った。その結果は、温度によって水素結合液体から単純な液体への構造変化が起きることを支持するものであった。